★うつ抜け日記005★

★うつ抜け日記005★


仕事場を異動して、新しい仲間と仕事をする中で、自分から積極的に、うつ状態を良くしようと思えずにいました。


まだまだ、「自分はダメなんだ、早く消えてしまえばいいのに」、そう思っていました。


そんな時、熊本の地震が発生。

被災地派遣の話が来ます。

自分自身、あまり良い状態ではなかったけれど、役に立ちたいと思い出向くことになりました。


被災地では、比較的被害の少ない地区と、酷い地区の両方に出向き業務を行いました。

気持ち的には、東日本大震災での業務を思い出し、辛い気持ちになりました。ですが、現地の皆さんから声をかけていただき、有り難かったです。


被災地から戻ると新しい仲間が増えていて、自分のダメな部分をフォローしてくれました。また、私も相談に来る方や新しい仲間と、一緒に仕事が出来ることに充実感を感じていました。


それなのに、辛い気持ちや頭痛、動悸は治らず、2週間に一度の心療内科への通院は続きました。夜もいろいろな事が心配で眠れませんでした。


何かをしなければと、焦っていたのかもしれません。ある資格勉強も並行して進めていました。しかし、思うように頭に内容が入ってきませんでした。勉強の仕方が悪いのかもしれません。それでも、この時は「絶対に取らなければならない」と思い込んでいました。


そんな事はないのです。ものごとに「絶対」という事などないのですから。

でも、この時はそれが分からないのです。


今思えば、この時の私は、自分がダメだと思い込み、出来ているところは見ずに、出来ない部分を拡大して見る事をしていました。それは、誰でもしてしまう事なのかもしれません。


「うつ状態」では、小さな出来ない事を10倍、100倍に考えてしまう場合があると思います。本人は、その事でさらに自分を追い込みます。うつ治療2年目の私は、まだまだ、この「自分追い込み」をやり続けます。さらに、自分を追い込んでいったのは、自分自身だったのです。


だから、もし、自分自身や周りの方が、「うつ状態」の時、出来るだけ良いところを意識して見るようにしたいものです。


私も周りのフォローしてくれる皆さんから、プラスの言葉をたくさん投げかけてもらいました。すぐには、心の奥に届かなかったけれど、5年経った今では、日々いただいていた言葉が、いかに大切で今につながっているかが分かります。本当に有り難かったです。


でも、すぐには自分を変える事は難しく、時間が必要だと感じます。

あなたの周りで苦しんでいる人がいたとしたら、優しく声をかけてあげて欲しいです。特効薬にはならないかもしれないけれど、見えないくらい少しづつ、その人の支え、癒しになっているはずだから。


マイナスの言葉に傷つく時もあるけれど、日々のルーチンをこなしながら、新しい仕事を覚えていきました。係の皆さんが私を気遣ってくれているのが分かりましたし、私も彼らに恩返しがしたいと思っていました。


彼らにとって単なるルーチンではなく、仕事が成長の機会になれば良いと考えて、毎週ミーティングで意見交換をして業務に取り入れ、クライエントから喜んでもらえる事につながるのは、とても嬉しいものでした。


辛い気持ちの中でも、やれる事がある、そう思えたのを覚えています。


この時期は、良い時と悪い時の差がありました。辛い気持ちの時は、大人しくするように心がけていました。


もしかしたら、躁鬱的なものだったのかもしれません。浮き沈みがありますが、プラスの言葉、考えを少しづつ、自分に投げかけます。もちろん、この時は圧倒的にマイナスが多いのですが。


日々を過ごすだけで、満点。

出勤した、ok。

それが出来たんだ、いいね。


同僚からもらった日めくりカレンダー。

些細な事も肯定するものでした。私を心配してくれて、このカレンダーをくれたのだと思います。有り難かったです。


日々、小さくても、一歩一歩、少しづつ。

それで良いのだ、と思いながらも、苦しんでいた時期でした。この時は、あと4年生きる、と思っていました。子どもたちが成人するまで、あと4年。


この時から暫く「うつ状態」と付き合う事になりますが、こんな事を感じ、考えていたのです。この時は一生、「うつ状態」が続くと思い込んでいました。そう思う事しか出来ない精神状態だったのだと思います。


それでも、この時生きていたから、今につながっています。今はそう思う事が出来ます。

辛いかもしれない、でも生きて欲しいです。今につながる日々を過ごして欲しいです。